最初にこの授業専用のフォルダを 2 つ作成する. 授業での作業や作成するプログラムの保存に利用する.
画面左上の[マイコンピュータ]をダブルクリックせよ. Z: ドライブと表示されるのがネットワークドライブで, ここに保存されたファイルは次回以降どの端末にログインしても同様にアクセスすることができる. Z: をダブルクリックせよ. この場所に授業専用のフォルダを次の手順で作る. [ファイル][新規作成][フォルダ]を選択すると 「新しいフォルダ」という名前のフォルダが作成される. 「新しいフォルダ」の文字列が青色反転表示となり,選択されている状態になっているはずである. このままキーボードから aprg と入力し,Enter キーを押せ. このとき入力がひらがな入力ではなく英語の入力のモードになっている ことを確認せよ.このモードでの英数字を「半角英数字」とよぶ. 作成したフォルダの名前が半角英数字の aprg に変更されているはずである.これをこの授業専用ディレクトリとして利用する. ディレクトリ名が青色反転表示になっていない場合は名前の文字列の上で左クリックすると 反転表示になる.
aprg フォルダの中に src という名前のフォルダを作成する. 上記手順で作成した aprg フォルダのアイコンをダブルクリックせよ. aprg フォルダの内容が表示される(最初はファイルが無い) ここに上で aprg フォルダを作成した手順と同様の手順で src という名前を フォルダを作成せよ.最終的に Z: ドライブの直下に aprg フォルダ, aprg フォルダの直下に src フォルダがある状態になる.
プログラム開発の作業は一般に以下の手順を繰り返す.
上記の繰り返し作業を効率よく行えるようにエディタやコンパイラ,デバッガなどを 組み合わせたソフトウェアを統合開発環境と呼ぶ.この授業では Microsoft 社の 統合開発環境である Visual Studio 2005 (以下 VS2005 と記述) を使用してプログラム開発を行う.
[スタート][プログラム][プログラム言語][Microsoft Visual Studio 2005][Visual Studio 2005] の順にメニューを選択せよ.
一般に一つのソフトウェアは複数のファイルから構成されている. あるソフトウェアを構成するファイル群をまとめた概念をプロジェクトと呼ぶ. プロジェクトという概念を導入することで多数のソースファイルからなる 大規模なソフトウェアを管理しやすくなる.
1 つのソースファイルだけをコンパイルするような簡単なプログラムであっても 上記プロジェクトの枠組みを使用するのでまずプロジェクトを作成する 必要がある.プロジェクトを作成した後,ソースファイルはそのプロジェクトに属するものとして 作成する.以下の手順を実行せよ.
上記操作で画面に大きくエディタ領域が表示される.この領域に プログラムを記入する.下記のプログラムを入力せよ.
#include <stdio.h> main() { printf("hello, world\n"); }
プログラム 1
[ファイル]メニューから [hello.c の保存] を選択すると ソースファイルが保存される. 上記「プロジェクト作成」の 6 番で選択した Z:\aprg\src\ に hello.c は保存される.
上記操作でファイル構成は後述するソリューションに対応するフォルダが C:\temp\hello, その中のプロジェクトに対応するフォルダが C:\temp\hello\hello, そこで管理されるソースファイルが別のドライブの Z:\aprg\src\src フォルダに hello.c として保存されている
「ソリューション」とはいくつかのプロジェクトをまとめた概念である. 大規模なソフトウェアシステムを構成する場合,複数のプロジェクトをまとめて 扱うのに便利であるため,導入された概念である.図 1.は複数のソースファイルが 一つのプロジェクトを,複数のプロジェクトが一つのソリューションを構成している 概念図である.
図 1.複雑なソリューション
複雑なシステムを構成するには利点があるが,以下のように単一のソースファイルからなる 簡単なプログラムを作成するときでも,プロジェクト, ソリューションを構成しなければならないため, 保存されるファイルのディレクトリ構成が複雑になっている.
図 2.単純なソリューション
ソースファイルのコンパイル,リンクなどプログラムを実行可能な 状態にするための作業をまとめてビルドという. ビルドを行うには[ビルド]メニューから [hello のビルド]を選択すればよい. 作成したソースファイルをビルドせよ.
今回の授業ではプログラムの実行はテスト実行として行うため, デバッグ環境のもとで実行する.ただし VS2005 のデバッグ機能は 使わず,単に実行するだけなので, [デバッグ]メニューから[デバッグなしで開始]を選択せよ.
終了するには[ファイル]メニューから[終了]を選択せよ.
VS2005 は多機能な大規模ソフトウェアであるため,今回の授業には不要なファイルを 多数生成する.それらを残したままプログラムを作成していくと Z ドライブの使用領域の 上限に達する可能性がある.今回の方法でフォルダ,ファイルを作成すれば 保存が必要なソースファイルだけが Z ドライブに保存される. C ドライブに作成されるソリューションフォルダ,プロジェクトフォルダの内容は 自動的に削除されるため,不要なファイルを意識して消去する必要はない.
ここまでの作業を終えると VS2005 が終了し,作業の再開に必要な ソースファイルのみ Z:\aprg\src に存在する状態になっている. この状態から再びソースファイルの編集を始める方法を以下に示す. 新規作成と再編集の違いは下記の 6 番以降である.
「*」よりも「&」のほうが直感的に理解しやすい.先に「&」 の働きを理解し,「*」はその逆の働きをすると理解すればよい.
リスト 7.1 を実行し,「&」, 「*」の働きを理解せよ