A. 一回の命令は「主記憶からの取り出し」「それに従って処理を実行」 からなる.プログラムはこれを繰り返すことで実行される.
B. 例えば主記憶からレジスタへのデータのコピーでは主記憶側の 装置とレジスタ側の装置が同時に動作する必要がある.これを同期をとる という.一回の命令は「加算」「減算」などが単位であるが,その途中で 何度か装置間の同期をとる必要がある.その同期の合図に使われるのが クロック信号である.クロック信号は同じ周期でHi(信号線が 高電圧な状態)とLo(信号線が定電圧な状態)を繰り返す.
命令によって実行終了までに必要なクロック数(CPI)が異なる. CPI は加算などの単純な計算は小さく,乗算などの複雑な計算は大きい 傾向がある.同じ設計のプロセッサ(CPIがすべて一致している) であればクロック周波数が大きい (単位時間に多くのクロック数のステップを行える)ほうが高速だが, CPIが異なるプロセッサの比較は単純ではない.加算に10ステップかかる プロセッサと加算が2ステップのプロセッサを比較すると前者はより 高いクロック周波数でないと計算全体では同様の速度が出ない.
記憶装置にはいくつかの種類があり,高速なものほど高価で大容量に できない傾向がある. 高速で少量の記憶装置から低速で大容量の記憶装置までをうまく使い分けて 計算機は設計されている.
B. キャッシュのヒット率とアクセス時間を使って平均アクセス時間を 計算する問題はよく出題されるので必ずできるようになっておくこと.
昔は書き換えられない記憶素子がROM,書き換えられるものがRAM として分類されていたが,現在広く使われるUSBメモリなどは 書き換えができるのにもかかわらずROMに分類される.
電源がないと記憶していた内容が消えてしまう記憶装置を 揮発性メモリ, 電源から切り離されても内容を保持している記憶装置を 不揮発性メモリという. 現在は不揮発性メモリをROM,揮発性メモリをRAMに分類することが一般的である.
RAMの分類の中でも高速で高価(小容量)のSRAMと 低速で安価(大容量)のDRAMが使い分けられている.